サントリーホールディングスは25日、英スコットランドで11月から泥炭地や水源の保全活動を開始すると発表した。2030年までに400万ドル以上を投資し、1,300ヘクタールの泥炭地保全を目指す。
ウイスキーが伝統的に製造されているスコットランドでは、湿原はウイスキー造りに良い水を育むといわれている。湿原に堆積した泥炭は「ピート」と呼ばれ、ウイスキーの原料である麦芽を乾燥させる大切な原料。しかし、長年にわたる土地開発や過度な商業用採掘などで湿原は失われつつあり、持続可能なウイスキー生産のために泥炭地保全への取り組みが急務となっている。
今回の保全活動では、乾燥化した泥炭地の水位を上げて湿潤な状態に戻し、泥炭の堆積を促すとともに、泥炭湿原ならではの植生を回復させて泥炭地を保全する。まずは、同社がハイランド地方に保有するアードモア蒸溜所の周辺地域約15ヘクタールを対象に、土地を所有するスコットランド森林土地局および、研究・計画・再生工事の遂行を支援するジェームズ・ハットン研究所と連携して行う。今後、他地域でも展開していく予定。
同社はこれにより、40年までに同社が使用する泥炭の2倍の量を生み出すことができる面積の泥炭地保全を目指す。[日本企業の動向][環境ニュース]
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