英国のスーパー大手モリソンは19日、株主総会で、米国のプライベートエクイティ(PE)企業クレイトン・デュビリア・アンド・ライス(CD&R)への身売り計画が承認されたと発表した。6月から続いた同社争奪戦に、ようやく終止符が打たれた。
株主の賛成率は99.2%と、身売り成立に必要だった75%を大きく上回った。取引完了は27日を見込む。
モリソンは先に、自社の売却先を決める入札で、CD&Rが米フォートレス・インベストメント・グループに競り勝ったと発表。モリソンの取締役会はこれを受け、株主に受け入れを推奨していた。買収額は70億ポンド。
CD&Rはモリソンの本社をイングランド北部ブラッドフォード(Bradford)に残し、デービッド・ポッツ最高経営責任者(CEO)をはじめとする経営陣も留任させるとしているが、こうした約束に法的拘束力はない。
CD&Rは6月、モリソンに55億ポンド規模の買収提案を行ったが拒否された。翌7月にモリソンは、米フォートレス・インベストメント・グループ率いる投資家グループと63億ポンドの身売り案で合意したが、モリソンの主要株主がこれに反対。その後、CD&Rとフォートレスはそれぞれ買収提示額を引き上げ、争奪戦の激化が予想されたことから英国の買収委員会(テークオーバー・パネル)が介入し、入札方式が取られていた。
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