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英政府、CO2製造の米社に運転資金援助

英国政府は21日、ガス価格高騰で英国内工場の操業を停止した米国の肥料大手CFインダストリーズに、今後3週間の運転資金を融通することで合意したと発表した。支援額は数千万ポンドに上る可能性もある。英国では同社の2工場の稼働停止を受け、二酸化炭素(CO2)が不足しており、食品・飲料の供給が大幅に滞る恐れが生じていた。

クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相は、今回の合意は「異例の短期的取り決め」と説明。「CO2市場が世界のガス相場に適応するまでの間、同社の英子会社CFファーティライザーズの今後3週間の運転資金を限られた形で支援する」もので、これにより、同社のイングランド北東部ダラム州ビリンガム(Billingham)の工場が直ちに操業を再開できるとしている。

ユースティス環境・食料・農村地域相は支援の具体的内容について、公共放送BBCのインタビューで「融資ではなく、固定費の一部を保証するための支払い」と説明。また、支援額は数千万ポンドに達するが5,000万ポンドは下回るとの見方を示した。

CFインダストリーズはガス価格の高騰を受け、ビリンガムおよびイングランド北西部チェシャー州インス(Ince)に保有する肥料工場の稼働を停止。両工場で副産物として生産されるCO2は、国内の産業用需要の60%を占めており、特に生鮮食品の流通に多大な影響が及ぶと懸念されていた。

CO2は食品の真空パックや、ビールやソフトドリンクの発泡、ドライアイスなどに使用される。家畜のと殺や食肉の保存にも用いられるため、食肉加工業者が数日中に操業を停止する可能性もあった。またタイムズによると、CO2は原子力発電所の冷却剤としても使用されることから、発電業界は政府に原発を一時停止する可能性を警告していた。


関連国・地域: 英国
関連業種: 食品・飲料化学天然資源電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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