通信大手フランステレコムは13日、エジプト最大の携帯電話会社モビニルについて、合弁先である同国のコングロマリット、オラスコム(Orascom)から保有株式の大半を取得することで合意したと発表した。
フランステレコムは、「モビニル」ブランドを展開する事業会社エジプシャン・カンパニー・フォー・モバイル・サービス(ECMS)の株式を1株当たり202.5エジプトポンドで取得する。また、ECMSの浮動株に対しても、株式公開買い付け(TOB)を行うという。
ECMSの持ち株会社モビニルには現在、フランステレコムとオラスコムがそれぞれ71.25%、28.75%を出資。モビニルが51%出資するECMSには、オラスコムも20%を直接出資している。今回の取引で、オラスコムが保有するECMS株の大半がフランステレコムの手に渡るが、オラスコムはECMSの5%株を維持し、現地パートナーとしてECMSの戦略・経営を監督し続けるという。
フランステレコムは2001年にモビニルの71.25%を取得。2009~2010年にもモビニルの完全買収を試みたが、オラスコムの不服申し立てを受け現地裁判所に差し止められ、断念した経緯がある。同社は欧州での減収を補うため新興市場での事業に注力しており、エジプトはその主要部分を占める。
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