中銀のイングランド銀行は13日、国内5大銀行の昨年の中小企業向け融資額が749億ポンドとなり、政府と合意した目標額の760億ポンドを下回ったと発表した。企業向け全体の融資額から返済額を除いた純貸出額も第4四半期(10~12月)に前年同期比3%縮小し、通年では前年に比べて97億ポンド減少している。
ロイズ・バンキング・グループ、バークレイズ、HSBCホールディングス、サンタンデール、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド (RBS)の5行と政府の合意は、プロジェクト・マーリン(Marlin) と呼ばれる。昨年の企業向け融資額は全体では2,149億ポンドに上り、目標額の1,900億ポンドを達成した。
中小企業向け融資額が目標を下回ったことについて銀行側は、厳しい経済状況で資金需要自体が少なかったためと説明している。しかし企業団体などからは、貸出金利が高い上に条件も厳しく企業が借り入れに二の足を踏んでいるとの批判が出ている。
プロジェクト・マーリンは昨年だけの措置で、政府はこれに替えて今年から政府保証を年に最大200億ポンドとする2年間の信用緩和策を導入し、中小企業向けに低金利の融資を提供する計画だ。
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