欧州中央銀行(ECB)は9日に政策理事会を開き、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置くことを決めた。中銀預入金利もマイナス0.5%で維持。新型コロナウイルス対策の規制緩和に伴う経済回復を受けて、昨年3月に設けた「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」については、1兆8,500億ユーロの購入枠は維持するものの、資産購入ペースを減速する方針を示した。
ECBは声明で「政策理事会は金融条件やインフレ見通しの共同評価に基づき、資産購入のペースを緩やかに減速することにより、好ましい金融条件を維持できると判断した」としている。
ECBのラガルド総裁は、資産買い入れペースは減速するものの「尻すぼみになるわけではない」と説明。「共同評価という枠組みに基づき再調整するだけだ」と強調した。
一方、金利については、ECBはインフレ率が「予測期間の終わりより十分前に」目標の2%に達し、「残りの予測期間中も持続的に」この水準にとどまるとともに、中期的に2%で安定すると判断されるまで、現行水準を維持する方針をあらためて示した。また「一時的にインフレ率が目標値をやや上回ることも考えられる」としている。
8月のユーロ圏のインフレ率は3%と、7月の2.2%から大幅に加速。市場予想を上回り、過去10年で最高水準に達した。
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