欧州中央銀行(ECB)がインフレ率上昇に向け公表した新戦略の効果を、ドイツの金融アナリストの過半数が疑問視している――。欧州経済研究センター(ZEW)が13日公表した調査で、このような事実が明らかになった。
ECBは、ユーロ圏インフレ率の長期低迷などを背景に、2003年以降で初めての戦略見直しを行い、7月にその結果を公表。インフレ目標を従来の「2%より低いが、これに近い水準」から2%に引き上げるとともに、一時的には目標を上回ることも容認する姿勢を打ち出した。
ZEWはこの新戦略の効果について、ドイツ国内の銀行や保険会社、大手企業などのアナリスト147人を対象に調査を実施。その結果、全体の約46%は、ECBの新戦略は自らのインフレ見通しに何ら影響を及ぼさなかったと回答。また5%は、新戦略の発表を受けて逆にインフレ見通しを下方修正していた。
一方、回答者の49%は、ECBの新戦略はインフレ見通しに「プラス」または「非常にプラス」になると回答。このうち具体的数値を示した70人は、2021~23年のインフレ見通しを平均で0.4ポイント引き上げていた。
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