ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)率いるコンソーシアムは28日、フランスのレンタカー大手ヨーロッパカー・モビリティー・グループの買収で合意したと発表した。取引額は29億ユーロ。レンタカーやカーシェアリングといったモビリティーサービス部門の強化を狙う。
VWは今回、ヨーロッパカー株の6月22日の終値に約27%のプレミアムを上乗せした1株当たり0.5ユーロの支払いを提案。ヨーロッパカーはこれに応じているが、今回の買収にヨーロッパカーの株式合わせて90%以上を出資する株主から支持を得た場合、VWは取引額を0.01ユーロ引き上げる意向という。
買収の成立条件として、VWはヨーロッパカーの株主合わせて少なくとも67%を出資する株主からの支持が必要だが、現時点で既に68%の支持を取り付けている。取り引きは9月末までにフランス規制当局に申請し、年内または2022年第1四半期(1~3月)中に完了する見通し。
ヨーロッパカーは140カ国以上に3,500カ所を超える拠点を持つほか、35万台超の車両を保有する。VWは同社の買収で、こうした市場へのアクセスを確保したい考えだ。
なおVW率いるコンソーシアムには、英国の投資会社アテスター(Attestor)、オランダの輸送機器分野の複合企業ポン・ホールディングスが参加している。
VWは今年6月、ヨーロッパカーの過半数株取得に向けて、約22億ユーロの買収提案を行ったが、ヨーロッパカーは自社の企業価値を過小評価しているとしてこれを拒否。VWは提示額を引き上げ、協議を続けていた。
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