英国のデジタル銀行レボリュート(Revolut)は15日、ソフトバンク・グループのソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)と米国のヘッジファンド、タイガー・グローバルが主導する資金調達ラウンドで、8億ドルを調達したと発表した。これにより企業価値は330億ドルとなり、国内のフィンテック(ITを活用した金融サービス)企業では最も高くなった。
レボリュートの企業価値は、金融大手ナットウエスト・グループ(旧ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ)をやや上回った。レボリュートは、2020年初めに5億ドルを調達した時点の企業価値が55億ドルで、今年6月には200億ドル程度を目指していると報じられていた。
同社は15年創業。世界中に1,600万人を超える顧客を抱え、外為や株式、暗号資産(仮想通貨)取引などを手掛ける。最近は国際展開を積極的に進め、米国やオーストリア、日本などにも進出している。投資がかさんでいることもあり昨年の純損失は1億6,800万ポンドと、前年の1億700万ポンドから拡大した。ただ昨年11~12月には黒字に転換し、今年第1四半期(1~3月)には好調な利益を上げているという。
今回調達した資金は、商品開発のほか、米国の顧客へのサービス拡大やインドなど他の国外市場への参入に投じられる。同社のミッコ・サロバーラ最高財務責任者(CFO)は「最終的には上場を考えているものの、すぐに実行に移す計画はない」として、今回の資金調達がいかなる上場のスケジュールに影響を与えることはないと述べている。
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