欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、新型コロナウイルスのワクチン供給を巡る欧州連合(EU)の目標を達成したと明らかにした。11日までにおよそ5億回分のワクチンの追加供給が完了する見通しとなったため。EUはかねて、7月末までに域内の成人の70%以上への投与を完了するのに十分な量のワクチン供給を目指していた。
フォンデアライエン委員長は今回、「年初から取り組んできたワクチン接種プログラムの展開が目覚ましい勢いで加速している」と歓迎。新型コロナウイルスの撲滅には至っていないものの、EUは今後も変異株に対するワクチンも含め、供給を拡大する準備を進めていると説明した。加盟各国には引き続き、ワクチン展開の加速に尽力するよう呼び掛けている。
EUでは、ワクチン調達の初期には遅延や生産のボトルネックなど困難があったが、その後はワクチン供給が安定。フォンデアライエン委員長は4月、7月末までに域内の成人の70%に少なくとも1回目のワクチンを投与できるとの見通しを示していた。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、EUおよび欧州経済地域(EEA)の18歳以上の成人のうち、少なくとも1回目のワクチン接種を受けた人の割合は13日時点で64%、2回目のワクチン接種を完了した人の割合は44.8%となっている。
なお、ECDCはかねて、ワクチン1回の接種ではインドで最初に確認された変異株「デルタ株」に対する効果が不十分である可能性があるとし、できるだけ迅速に2回目の接種を進めるよう呼び掛けている。
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