ロンドン・ヒースロー空港は、新型コロナウイルスのワクチン接種が完了した乗客を対象に、入国審査の優先レーンを週内に試験導入する。これに協力する英国の航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とヴァージンアトランティック航空の一部の便の乗客は、搭乗前にワクチン接種証明を書面で提示するか、電子データを航空会社のアプリ上にアップロードすることができる。英政府は近日中に、ワクチン接種完了者の入国後の自主隔離免除の方針を発表するとみられており、これに先立ち航空会社が接種の有無を迅速に確認できることをアピールする狙いがある。
試験運用の対象となるのは、アテネ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ジャマイカのモンテゴベイからロンドンに到着する便。ワクチン接種が完了したことを証明できた乗客は、ヒースロー空港で専用レーンに案内され、迅速に入国審査を通過することが可能。航空会社と空港が事前に接種証明を確認することにより、入国審査の負担が減りそうだ。
今回の運用で認められる証明書は、英国の国民医療制度(NHS)アプリ、米国のCDCカード、米国の州レベルのデジタル証明、欧州連合(EU)の「EUデジタルCOVID証明書」。収集したデータは匿名化した上で、英政府と共有し、試験運用の有効性を確認する。EUの一部加盟国と米国では既に、同様の制度が運用されている。
BAとヴァージンは共同声明で、英国は「ワクチン接種プログラムで世界をリードしているにもかかわらず、接種完了者の隔離免除といった他国が実践している経済的・社会的な収穫が得られていない」と指摘している。
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