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日産が大型EV電池工場新設 中国社と共同、6千人超雇用創出

日産自動車は1日、英イングランド北東部サンダーランド工場に電気自動車(EV)用バッテリーのギガファクトリーを建設すると発表した。中国のエンビジョンAESCおよびサンダーランド市議会と共同で総額10億ポンドを投資し、同工場に再生可能エネルギーを利用したEV生産拠点を新設する計画の一環。供給網も含めて6,200人の雇用創出を見込む。

サンダーランド工場で笑顔を見せるジョンソン首相(日産提供)

サンダーランド工場で笑顔を見せるジョンソン首相(日産提供)

ギガファクトリーは、エンビジョンAESCが4億5,000万ポンドを投じて、サンダーランド工場の隣接地に建設する。当初の生産能力は9ギガワット時で、将来的に同社が18億ポンドを追加投資し、2030年までに生産能力を最大25ギガワット時に引き上げる計画。最終的な生産能力は、35ギガワット時に達する可能性がある。

エンビジョンAESCは中国の遠景集団(エンビジョングループ)の傘下企業で、既にサンダーランド工場で主力EV「リーフ」向けのバッテリーを生産している。新バッテリー工場では、新型EV向けの次世代バッテリーを生産する計画で、750人を新規雇用する見通し。

一方、日産はサンダーランド工場に最大4億2,300万ポンドを追加投資して、新世代のクロスオーバーEVを生産する。英国内および欧州市場への輸出向けに、年間最大10万台を生産する計画。これに向け909人を新規雇用するほか、国内供給網で4,500人超の雇用が創出される見込み。

同工場および新バッテリー工場では、100%再生可能エネルギー由来のクリーン電力を利用する方針。これに向け、最大10基の太陽光発電設備を建設し、発電量は132メガワットを見込む。また、EV用バッテリーの再利用による1メガワットの蓄電システムを構築し、日中に生産された余剰電力を蓄えて別の時間帯に利用できるようにする。クリーン電力プロジェクトの資金8,000万ポンドは、サンダーランド市議会が拠出する。

フィナンシャル・タイムズは関係者の話として、英政府もこれら一連のプロジェクトに向け、日産に1億ポンドの資金援助を行うと報じている。

クワルテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略相は、今回の一連の計画について「英国がEVで世界をリードする目標に向けた大きな前進となる」とコメントしている。[環境ニュース][労務]

記者会見に臨むグプタCOO(左)ら関係者(同)

記者会見に臨むグプタCOO(左)ら関係者(同)


関連国・地域: 英国アジア
関連業種: 自動車・二輪車電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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