スウェーデンのリチウムイオン電池(LIB)受託製造ノースボルトは9日、資金調達ラウンドで27億5,000万ドルを調達したと発表した。うち、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、6億2,000万ドルを追加出資。調達した資金は工場の生産能力拡大などに充てる。
今回の資金調達ラウンドには、VWや米国の投資銀行ゴールドマン・サックスといった既存投資家に加え、スウェーデンの公的年金基金AP1、AP2、AP3、AP4、カナダの年金基金大手オンタリオ州職員退職年金基金(OMERS)などが参加した。
VWは2019年、ノースボルトに対する約9億ユーロの出資を通じて、同社の株式20%程度を取得していた。今回の追加出資後も、この出資比率は維持されることとなる。
ノースボルトは今回の資金調達について、脱炭素化や電動化ソリューションの需要拡大に応えるためと説明。調達資金を用いて、スウェーデン北東部シェレフテオ(Skelleftea)に擁するギガファクトリーの年産能力を、現在の40ギガワット時から60ギガワット時に拡大させるという。今年末までに同工場で電池セルの量産を開始する見込み。
同社はまた、2030年までに欧州での年産能力を最大150ギガワット時に拡大させる方針だ。これに向け、向こう10年間で欧州に少なくとも2カ所のギガファクトリーを設ける予定。うち1つはドイツ国内への建設を検討しており、現在、複数の州政府と交渉を行っているという。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。