独自動車大手ダイムラーとフィンランドの通信機器大手ノキアは1日、車載システム向け通信技術のライセンス契約を締結したと発表した。両社はかねてノキアの特許技術の使用を巡り係争中だったが、ダイムラーがライセンス料の支払いを受け入れたことにより和解する格好となる。
ノキアは、ダイムラーが同社の特許技術を無断で使用したとして複数の訴訟を起こしており、ダイムラーもノキアを相手取り欧州委員会に苦情を申請していた。両社は今回、これら全てについて和解したとしている。ライセンス料や契約条件などの詳細は明らかにされていない。
フィナンシャル・タイムズによると、今回の契約は第3世代(3G)および第4世代(4G)移動体通信技術の使用許諾を巡るもの。これらの技術は、カーナビや車載エンターテインメント・システムをインターネットに接続するために用いられ、自動運転技術の土台となる。
ドイツの同業フォルクスワーゲン(VW)などは既にライセンス料を支払っているが、ダイムラーはこれまで、ノキアとのライセンス契約は車載システムを供給する自動車部品メーカーが締結するべきとして、支払いを拒否していた。
ただ、昨年には一部の訴訟で相次いでダイムラーが敗訴。判決が執行されれば、ダイムラーはノキアの特許技術を使用した自動車を生産できなくなるはずだったが、ノキアは執行手続きに必要な支払いを見合わせていた。
ノキアは今回の合意について、「当社の特許ポートフォリオの質や、研究開発(R&D)のコネクテッドカー(つながる車)業界への貢献、自動車ライセンス供与プログラムの成長性を裏付けるもので、極めて画期的」とコメント。一方、ダイムラーは、「経済的観点からも、長期にわたる係争を回避できる点でも、和解を歓迎する」としている。
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