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英顧問、規制解除の延期提言 「英国は第3波の初期にある」

英国は既に新型コロナウイルスの感染第3波の初期段階にある――。英政府の医療諮問グループのメンバーであるケンブリッジ大学のラビンドラ・グプタ教授は5月31日、公共放送BBCのラジオ番組でこうした見方を示した。新規感染者の絶対数は比較的少ないものの、インド型変異株のせいで加速度的に増加していると指摘。早ければ6月21日にイングランドでロックダウン(都市封鎖)を全面解除するという政府の計画は、延期するべきとしている。

英国の新規感染者数は4月12日以降、3,000人を割り込んでいたが、5月26日以降は6日連続で3,000人の大台に乗っている。グプタ教授によると、感染者の4分の3はインド型変異株とみられている。

同教授は、「現時点の人数は比較的少ないが、どんな感染の波も最初のうちは感染者が少なく、その後、爆発的に増加する」と指摘。ワクチン展開が進んでいることから、今回の波は第1波や第2波と比べて明確化するのに時間がかかるとした上で、「このところ誤った安心感が持たれている可能性がある」と懸念を示した。ロックダウンの全面解除については、「より多くの情報が集まるまで、数週間」延期するべきとしている。

これに対し、業界団体UKホスピタリティーのケイト・ニコールズ最高経営責任者(CEO)は、飲食店などの多くは定員の60%で営業しており、6月中に定員の制限が撤廃されなければ「壊滅的な影響を受ける」と訴えている。

政府はかねて、6月21日にイングランドのロックダウンを全面解除するかどうかの判断は、6月14日に下すとしている。ユースティス環境・食料・農村地域相は今回、どのような判断が下されるかについては、「いかなる可能性も否定できない」とコメントしている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

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