欧州連合(EU)は24~25日に開いた首脳会議(サミット)で、EU域内共通の新型コロナウイルスワクチン接種証明書となる「EUデジタルCOVID証明書」の導入最終案を正式に承認した。欧州議会もすでにこの案に合意しており、6月7~10日の本会議で正式承認する見通し。7月1日の運用開始に向け、さらに1歩前進した格好となる。
EU域内共通のワクチン接種証明書の導入案は、欧州委員会が3月に公表。その後、欧州議会とEU加盟各国がそれぞれにまとめた修正案をすり合わせ、5月20日に欧州議会と加盟各国が同証明書の導入に向けた最終案で合意していた。
同証明書はワクチン接種歴だけでなく、検査の陰性結果や新型コロナウイルス感染症(COVID19)からの回復歴も証明し、デジタルと紙の両方で発行する。同証明書の保有者は、EU域内を自由に移動できるほか、加盟各国が国内法に基づき、同証明書を独自の目的に使用することもできる。同証明書はEU加盟27カ国のほか、アイスランドとリヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスでも有効となる。
今回のサミットでは併せて、EU域内の渡航規制に関する共通ルールの見直しを欧州委員会に要請することも決めた。EUは昨年10月、欧州疾病予防管理センター(ECDC)が加盟国の感染状況を共通の基準に基づいて4色に分類し、これに基づいて域内の移動の自由を一時的に制限する共通ルールを定めていたが、ワクチン接種証明書の導入に向け、これを見直す。
なおEU域外からの入域制限措置については既に緩和することが決まっている。これを受け、加盟各国はワクチン接種が完了した人の不要不急の入域を認めるよう推奨されているほか、入域許可国のリストも拡大される。
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