住宅不動産でドイツ最大手のボノビアは24日、同業ドイチェ・ボーネンを買収することで合意したと発表した。取引額は約180億ユーロ。欧州の不動産業界では、過去最大規模の買収案件となる。
ボノビアはドイチェ・ボーネン株1株当たり53.03ユーロを支払う。これは21日終値に約18%のプレミアムを上乗せした水準。両社はポートフォリオの共同管理により、年間1億500万ユーロのコスト削減を見込んでいるほか、合併完了後には最大80億ユーロ相当のライツイシューを計画している。また、2023年末までは人員削減をしない方針も明かしている。
ボノビアとドイチェ・ボーネンが所有・運営する物件は計50万件を超える。合併後は、住宅価格の高騰が深刻となっているベルリンで、約2万件のアパートを市政府に売却することを提案している。
ボノビアがドイチェ・ボーネンの買収を試みたのはこれで3回目。2015~16年2月の買収提案時は、株式公開買い付け(TOB)が取引成立の条件となる50%プラス1株に届かず失敗していた。
しかし、ドイツの連邦憲法裁判所が今年4月、ベルリン州政府が独自に施行していた「家賃凍結法」の無効判決を下したことで風向きが変わり、両社は合併に向けた取引を進めることで一致していた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。