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英、40歳未満に別ワクチン アストラゼネカ製の副反応考慮

英国の予防接種・免疫合同委員会(JCVI)は7日、英国の製薬大手アストラゼネカがオックスフォード大学と共同で開発した新型コロナウイルスワクチンについて、40歳未満には別のワクチンを接種することを推奨した。極めて稀に血栓症の副反応が見られるため。これまでは30歳未満でのみ使用を控えるよう推奨していたが、国内の感染率低下を背景に、特に若年層で感染防止のメリットと副反応のリスクのバランスが変わったほか、他のワクチンの供給が十分なため、対象を拡大した。

英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)によると、英国では4月28日までにアストラゼネカのワクチン接種を受けた2,850万人のうち、242人が血小板減少を伴う血栓症を発症し、うち49人が死亡している。

接種後に血栓ができる確率は、40代では約10万人に1人だが、30代では6万人に1人に上昇。また、血栓による死亡率は40代では100万人に2人だが、30代では100万人に4人に増える。加えて、若年層では新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクが低い上、ワクチン展開の成功により、感染率自体が低下している。

MHRAは、「大多数の人では、同ワクチンの有益性は引き続きリスクを上回る」とした上で、「年配の人々では有益性がリスクを大きく上回るが、若い人々の間ではバランスが微妙」と指摘。「ワクチンの使用を検討する際には、こうしたデータの変化を考慮する必要がある」としている。

英国では同ワクチンのほかに、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンと、米国のバイオ医薬品会社モデルナ製のワクチンが使用されており、十分な供給が見込まれている。

英イングランドでは現在、40歳以上を対象にワクチンが投与されている。5月6日までに英国全体で5,122万人超が少なくとも1回のワクチン接種を受けている。この日の新規感染者は2,613人、死者は13人で、ともに減少傾向が続いている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済

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