テムズ河口に新たな国際空港を建設するプロジェクトについて、政府が3月にも意見公募手続きの開始を公表するもようだ。BBC電子版が18日伝えた。
同プロジェクトはボリス・ジョンソン・ロンドン市長が提言したもので、河口に人工島の建設が計画されていることから、通称「ボリスアイランド」と呼ばれる。政府はこれについていかなる方針も示していないが、閣僚らは世界的な航空ハブ(運航拠点)としての英国の地位を守るため、すべての選択肢について検討するよう求めている。
キャメロン首相はこれまで、ロンドン・ヒースロー空港をこれ以上拡大しないとの立場を明確にしている。一方、連立を組む自民党のクレッグ副首相は、テムズ河口への空港新設には反対しているものの、意見公募については容認する構えだ。
テムズ河口空港をめぐっては、建設予定地の周辺が渡り鳥の中継地であるため、環境保護の立場から反対の声が上がっている。ヒースロー空港を運営するBAAのコリン・マシューズ最高経営責任者(CEO)は、「ロンドンが2つのハブ空港を持つのは無理」とした上で、ヒースローが閉鎖されるような事態になれば10万人の雇用に影響が出るなど、経済的にも政治的にも大きな問題となると指摘している。
大ロンドン庁(GLA)は先に、ロンドン周辺の航空需要についての試算を発表。昨年の利用者数は1億4,000万人だったが、これが2050年には4億人まで増加すると予想している。[環境ニュース]
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