自動車製造取引業者協会(SMMT)は6日、3月の英国の新車登録台数が28万3,964台となり、前年同月比11.5%増加したと発表した。昨年8月以降で初のプラスとなったが、1年前は最初のロックダウン(都市封鎖)の導入により大きく落ち込んでいたため、この反動が大きい。
3月は個人向けが4.1%減少した半面、フリート向けは28.7%、法人向けは18.6%それぞれ伸びた。燃料別ではディーゼル車が31.4%縮小し、ガソリン車は10%減っている。代替燃料車(AFV)のうち、ハイブリッド車(HV)は42%増え、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)は2.5倍超に拡大。バッテリー式EV(BEV)は88.2%上向いた。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車とガソリン車が共に2.5倍弱に伸びている。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが19.1%落ち込んだ一方、姉妹ブランドのランドローバーは21.8%伸びた。欧米ステランティス傘下のボクソールは27.2%上向いている。
ドイツ勢を見ると、フォルクスワーゲン(VW)は、VWブランドが3.3%増え、傘下のアウディは16.3%拡大した。高級車ではBMWが19.8%、メルセデス・ベンツが25.5%それぞれプラスとなった。
フランス車はルノーが1.8%増加。欧米ステランティス傘下のプジョーは55%、姉妹ブランドのシトロエンは52.6%それぞれ伸びている。米フォードは1年前を17.1%上回った。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が10.1%のプラス。スバルは43.3%、日産自動車は13.2%それぞれ拡大した。半面、三菱自動車は37.9%縮小。ホンダは34%下向き、スズキは15.3%落ち込んでいる。マツダは3.2%のマイナスだった。韓国勢は現代自動車が24.5%増となったが、傘下の起亜は13.4%減っている。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、昨年は近代で最も厳しい年となり、自動車業界も大きな打撃を受けたが、ショールームの再開を目前に控え、消費者信頼感と市場の回復への期待が高まっているとコメント。1年前の落ち込みの反動から、4月は記録的な伸びを見せると予想している。一方で、堅固で持続可能な市場を実現するには、安全なショールーム環境の中で、選択肢と競争力のある提案を業界が提供し、それに顧客が応えることが重要との考えを示した。また、新型のプラグインモデルは既に回復要因となっているが、より多くの消費者に切り替えを促進するためには、充電インフラの拡充なども含め、消費者のニーズに沿ったものであることを保証する必要があると強調した。
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