英国やドイツ、フランスを含む世界23カ国の首脳と世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、30日付で世界各国のメディアに連名で寄稿し、将来のパンデミック(世界的流行)に備える国際条約の締結を提唱した。新型コロナウイルス感染拡大の反省を踏まえ、警告やデータ共有、ワクチンの開発・供給での国際的な連携を強化することを提案している。
国際条約ではほかに、治療薬や診断薬、防護用品の開発・供給での連携を強化するほか、人間だけでなく動物や地球全体を対象とする姿勢を取るとしている。また、説明責任や責任の共有、透明性の確保に向けた国際システムの構築も盛り込むよう提案した。
首脳らは、「パンデミックなど深刻な医療危機」が再び訪れるのは「時間の問題」と指摘。「単独でこうした脅威に立ち向かえる国や国際機関はない」とした上で、市民を保護するためのより強力な国際的取り決めが必要と訴えた。
寄稿文には、ジョンソン英首相やメルケル独首相、マクロン仏大統領、スペインのサンチェス首相、オランダのルッテ首相のほか、欧州連合(EU)のミシェル大統領も署名。欧州ではほかに、ポルトガルやルーマニア、ギリシャ、アルバニア、ノルウェー、セルビアの首脳が名を連ねている。
なお、世界ではほかにアフリカや中南米、太平洋の一部諸国や韓国などが署名しているが、日本や米国、ロシア、中国は含まれていない。
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