独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は15日、電気自動車(EV)向けバッテリーおよび充電設備の2030年までの開発方針を発表した。欧州6カ所でバッテリーのギガファクトリーを開設し、年間計240ギガワット時相当のバッテリーを生産することにより、バッテリーのコストを最大50%削減するとしている。
VWはまず、スウェーデンのリチウムイオン電池(LIB)受託製造ノースボルトと提携し、同社が北東部シェレフテオに擁するギガファクトリーで23年までに電池セルの生産を開始する。また、VWとノースボルトが共同で設置する中部ザルツギッターのギガファクトリーも、25年の生産開始を予定する。年産能力はいずれも最大40ギガワット時を見込む。両工場への投資は既に財務計画に織り込まれている。
同社はその後、26年にはスペインかフランス、もしくはポルトガルに、27年にはポーランドかスロバキア、もしくはチェコに、それぞれギガファクトリーを開設し、30年までにはさらに2カ所に開くとしている。
同社はこれにより、バッテリーのコストをエントリーレベル・セグメントでは50%、量産セグメントでは30%削減する方針で、バッテリーシステムの価格は1キロワット時当たり100ユーロを大きく割り込むとみている。
一方、充電設備については、25年までに他社との提携を通じて欧州の1万8,000カ所に公共の高速充電ポイントを開設するとしている。同社の出資額は計4億ユーロとなる見込み。
VWはまず、英石油メジャーのBPおよび傘下の独ガソリンスタンドチェーン、アラル(Aral)と共同で、ドイツと英国を中心に容量150キロワットの充電ポイント4,000カ所を展開する。このほか、スペインでは同国の電力大手イベルドローラと、イタリアでは同国の電力大手エネルとの提携により展開する。
なお、ロイター通信が3人の関係者の話として伝えたところによると、VWはEVに使用するバッテリーのタイプを、韓国の電池メーカー、LGエナジーソリューション(旧LG化学電池事象)および石油・化学大手SKイノベーションとの供給契約に基づく現行のラミネート(パウチ)型から、中国のEV向け電池大手CATL(寧徳時代新能源科技)が手掛ける角型へと徐々に移行する方針。[環境ニュース]
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