在イタリア・ロシア商工会議所は9日、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」のイタリアでの生産に向け、ロシア直接投資基金(RDIF)とスイスのバイオ医薬品会社アディエンヌ・ファーマ&バイオテックが契約を結んだと発表した。欧州での同ワクチンの生産は、これが初めてとなる。
アディエンヌは6月にイタリアで生産を開始し、年内に1,000万回分を生産する予定。欧州ではほかにも同様の生産提携20件の協議が進められているという。
スプートニクVは、ロシアのガマレヤ記念国立疫学・微生物学研究センターと国防省が共同で開発。RDIFが開発資金を提供した。欧州連合(EU)ではまだ承認されていないが、先に欧州医薬品庁(EMA)が逐次審査を開始していた。
ただ、EU域内でのワクチン供給不足を背景に、加盟各国はスプートニクVの単独承認に動いており、ハンガリーでは既に接種が開始されているほか、スロバキアも200万回分を発注。EMAのウィルトゥマーホッヘ運営委員長は先に、同ワクチンについてはまだ安全性や有効性に関するデータがそろっていないとして、加盟各国に単独承認を控えるよう呼び掛けている。
AP通信によると、欧州委員会は現時点でスプートニクVの共同調達を予定していないが、加盟各国はEMAが同ワクチンを承認すれば単独で調達できる。イタリアのスペランツァ保健相は、同ワクチンを購入する可能性を排除していない。
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