スペイン北東部カタルーニャ自治州で14日、州議会(定数135)選挙が行われ、独立派が過半数を維持した。現州議会与党を中心に新政府樹立に向けた協議が進められる見通しで、政権の座には引き続き独立派が就く可能性が高い。独立や自治権拡大などを巡り、州と中央政府の交渉が再び始まる気配も漂っている。
独立支持派は、対話を条件にサンチェス政権の発足に協力した現州議会与党のカタルーニャ共和主義左翼(ERC)が33議席を獲得。2017年に独立の是非を巡る違憲の住民投票を強行して同州の首相を罷免されたプチデモン氏が結成したジュンツ・パル・カタルーニャ(JxCat)は32議席を得ている。国内各地で勢いに乗る極右政党ボックス(Vox)は初の議席獲得を果たし、11議席で第4党に躍り出た。極左政党の人民連合(CUP)は9議席と、前回17年の選挙から議席を伸ばした。
独立反対派である国政与党・社会労働党(PSOE)のカタルーニャ支部・カタルーニャ社会党(PSC)は33議席で、こちらも前回から16議席拡大した。
この結果を受け、ERCとジュンツ・パル・カタルーニャが連立を組み、ERC幹部のアラゴネス氏が同州首相の座に就くとの臆測が広がっている。同氏は、20年9月にトラ同州前首相が公職から追放されて以降、暫定州首相を務めている。
アラゴネス氏は今回の結果について、カタルーニャの民意が示されたと指摘。「独立を巡る住民投票の実施について協議する時が来た」として中央政府に交渉の席に着くことを呼び掛けた。
なお、今回の投票率は53%と、前回の79%から大幅に下落した。
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