英国と南アフリカ由来の新型コロナウイルスの変異株への感染が各国で拡大する中、米国の製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬品会社ビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンは、双方の変異株に対して有効との研究結果が出た。医学誌ネイチャー・メディスンが8日明らかにした。
ファイザーと米テキサス大学は今回、英国と南アで確認された変異株に類似したスパイクタンパク質を持つウイルス株を開発。ファイザーとビオンテック製のワクチンを接種した治験参加者に投与したところ、血液中の抗体によるウイルスの中和が確認されたという。
半面、英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同開発したワクチンについては、同様の研究結果は見られなかったと報告している。
研究者らは一方で、生成された変異株は、スパイクタンパク質の全ての型を含んでいるわけではないことも留意点として述べている。
専門家は、現在のワクチンが将来的に発生する新たな変異株にも有効であり続けるという確証はないとして、引き続き観察が必要と強調した。
同ワクチンについては先に、生命科学分野の研究結果のオンラインアーカイブ・配信サービス、バイオアーカイブ(bioRxiv)に掲載された研究報告の中で、双方の変異株に有効としたものの、南ア型の変異株にはわずかに効果が低いという見解が示されていた。
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