ルネサスエレクトロニクスは8日、英国の半導体大手ダイアログ・セミコンダクターの買収で合意したと発表した。買収総額は約49億ユーロ。ダイアログが得意とする低電力やコネクティビティー技術を取得し、モノのインターネット(IoT)や産業、自動車分野の強化を図る。
ダイアログはロンドンに本社を置き、ドイツのフランクフルト証券取引所に上場している。低電力ミックスドシグナル製品のポートフォリオを持ち、カスタム品や顧客側での回路変更が可能なソリューションを長年供給。ルネサスの製品と補完性の高い低電力のコネクティビティー製品も、業界をリードする技術を持つ。
ルネサスは、ダイアログが持つ低電力技術により製品ポートフォリオを強化し、IoT分野での高成長市場に対応する。スマートホームや医療機器などの非接触IoT分野に対応するとともに、自動車分野向けソリューションの充実化を図るほか、エンジニアおよび設計開発技術を拡充することで、新製品の市場投入を効率化する方針だ。
ルネサスは、ダイアログの発行済み・発行予定普通株式1株当たり67.5ユーロを現金で支払う。これは前日終値に20.3%のプレミアムを上乗せした水準。取引はダイアログの株主と関係当局の承認を経て、年末までの完了を見込む。
ルネサスは今回の統合によるシナジー効果として、約2億ドルの増収と約1億2,500万ドルのコスト節減を見込んでいる。
ルネサスは2017年に米インターシル・コーポレーション、19年に米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジーを相次ぎ買収するなど、合併・買収(M&A)を通じた事業拡大を積極的に進めている。[日本企業の動向]
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