自動車製造取引業者協会(SMMT)は6日、2020年の英国の新車登録台数が前年比29.4%減の163万1,064台となり、1992年以降で最低を記録したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で大きな打撃を受けた。
個人向けは26.6%縮小し、法人向けは43.3%、フリート向けは31.1%それぞれ減った。燃料別ではディーゼル車が大きく55%減少。ガソリン車は39%のマイナスだった。代替燃料車(AFV)のうち、バッテリー式電気自動車(BEV)は3倍近く増加し、プラグインハイブリッドEV(PHEV)は91.2%拡大。ハイブリッド車(HEV)は12.1%伸びた。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車が79.6%増え、ガソリン車は3倍弱に拡大している。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが29.3%落ち込み、姉妹ブランドのランドローバーは23.6%のマイナスとなった。仏グループPSA傘下のボクソールは40.3%下向いた。
ドイツ勢はフォルクスワーゲン(VW)は、VWブランドが26.1%減り、傘下のアウディは22.4%縮小した。高級車ではメルセデス・ベンツが35.5%、BMWが32%それぞれマイナスとなった。
フランス車はルノーが27.7%縮小。姉妹ブランドのプジョーは29.3%減っている。シトロエンは44.8%のマイナス。米フォードは35.3%落ち込んだ。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が12.7%減少。スバルは68.3%落ち込み、スズキとマツダは共に43.4%縮小した。三菱自動車は44%減っている。ホンダは37.8%落ち込み、日産自動車は22.1%のマイナスだった。韓国勢は現代自動車が43%減となり、傘下の起亜自動車も27.5%縮小している。
12月単体の新車登録台数は13万2,682台となり、前年同月比10.9%減少。燃料別では、ディーゼル車とガソリン車がそれぞれ52.5%、37%縮小した半面、AFVは軒並み増加した。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、パンデミックによる営業停止と、欧州連合(EU)からの完全離脱に対する先行き不透明感により「2020年は自動車業界にとって『失われた年』となった」とコメント。一方で、ワクチンの普及とEUとの新たな通商協定の合意を受け、今年は確実に回復の年とする必要があると強調した。併せて、政府と協力して電気自動車(EV)への転換を促進していく姿勢を示している。
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