自動車製造取引業者協会(SMMT)は4日、11月の英国の新車登録台数が11万3,781台となり、前年同月比27.4%減少したと発表した。イングランドでのロックダウン(都市封鎖)再導入に伴うショールームの閉鎖が響き、11月の登録台数としては金融危機時の2008年以降で最低を記録した。
11月は個人向けが32.2%減少。法人向けは58.6%、フリート向けは22.1%落ち込んだ。燃料別ではガソリン車が41.9%減り、ディーゼル車は56.2%縮小。代替燃料車(AFV)のうち、ハイブリッド車(HV)は0.3%のプラスを確保した。プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)は76.9%、バッテリー式EV(BEV)は2倍超にそれぞれ拡大。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車は7.9%増え、ガソリン車が3.5倍弱に伸びている。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが19.3%落ち込み、姉妹ブランドのランドローバーは24.3%のマイナスとなった。仏グループPSA傘下のボクソールは24.6%下向いた。
ドイツ勢はフォルクスワーゲン(VW)は、VWブランドが34.1%減り、傘下のアウディは9.3%縮小した。高級車ではメルセデス・ベンツが24.8%、BMWが16.4%それぞれマイナスとなった。
フランス車はルノーが22.3%縮小。姉妹ブランドのプジョーは16.2%減っている。シトロエンは33.7%のマイナス。米フォードは34.9%落ち込んだ。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が18.8%減少。スバルは66.9%、スズキは40.4%それぞれ縮小した。マツダは55.2%落ち込み、ホンダは50.6%減っている。三菱自動車は49.9%落ち込み、日産自動車は4.1%のマイナスだった。韓国勢は現代自動車が57.5%減となり、傘下の起亜自動車も38.3%縮小している。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、春のロックダウンと比べ、製造業者やディーラー、消費者はいずれも車両販売時の制限に対応する準備ができていたとコメント。だが、11月単月で13億ポンド相当の減収となったことから、英経済におけるショールームの重要性は明らかであり、さらなる規制があったとしても、ショールームの営業を継続していく必要があると強調した。一方、新型コロナワクチンの承認により、企業景況感と消費者信頼感が共に改善し、業界では年明けに向けて楽観的な見方が広がっているとした。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。