英政府は11月30日、2021年9月末以降に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の機器を国内の第5世代(5G)通信網に設置することを禁止する方針を明らかにした。5G通信網から華為の機器を完全に排除するための行程表の一環で、通信事業者が同社製品を大量に買いだめすることを防ぐ狙い。併せて、2億5,000万ポンドを投じて同社に代わる機器調達先を開発するとしており、NECもその対象に含まれている。
政府は7月、27年末までに5G網から華為の機器を完全に排除すると発表。5月に米国が華為への輸出規制を強化したことを受けた措置で、これに向け来年1月1日以降は華為の5G機器の新規調達を禁止するとしていた。先には、この措置を法制化する通信セキュリティー法案を議会に提出しており、現在、下院でその審議が行われている。
ダウデン・デジタル・文化・メディア・スポーツ相はこの日、下院でこの行程表を発表。その目的について、「高リスク業者を5Gネットワークから完全に排除する明確な道筋を示すため」と説明した。
フィナンシャル・タイムズによると、政府が今回、新たに機器設置の期限を来年9月末までとした背景には、通信事業者が年内に華為の無線機器を大量に調達しようとしていることへの懸念がある。各社は、とりあえず華為製品を確保しておき、後から設置して27年末まで使用し続ける計画だっただけに、今回の決定は寝耳に水となる。
同相は併せて、「5Gサプライチェーン多様化戦略」も公表した。華為への依存を脱却し、同社に代わる調達先を開発する狙いで、まず2億5,000万ポンドを投じる。その一環として、NECのオープン無線アクセスネットワーク(オープンRAN)の運用試験を支援するほか、国立電気通信研究所や、通信業界向けのオープンRAN試験施設を新設するとしている。[日本企業の動向]
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