欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、欧州医薬品庁(EMA)が年内に2種類の新型コロナウイルスワクチンの販売を条件付き承認する可能性を明らかにした。米国の製薬大手ファイザーおよびドイツのバイオ医薬品会社ビオンテック(BioNTech)が共同開発するワクチンと、米国のバイオ医薬品会社モデルナ(Moderna)のもので、いずれも臨床試験で90%以上の有効性が示されている。
フォンデアライエン委員長はこの日、欧州連合(EU)首脳陣と新型コロナ対策を巡る協力の強化についてビデオ会議を行った。その後の声明で、EMAはこの2種類のワクチンの審査に関して米食品医薬品局(FDA)と緊密な連携を図っていると説明。今後の手続きで問題が起こらなければ、12月後半に条件付き承認が下りる可能性があるとしている。
ファイザーとビオンテックのワクチンは、第3相臨床試験で95%の有効性が確認された。両社は同ワクチンをEUに最大3億回分供給することで合意しており、既にEMAに承認申請を行っている。一方モデルナは、第3相試験の初期分析により94.5%の有効性が示されたと明らかにしており、EUとは供給契約の交渉中だ。
EUは英アストラゼネカや独キュアバック(CureVac)、仏サノフィとワクチン購入契約を結んでいるほか、米ノババックス(Novavax)とも交渉を続けている。[EU規制]
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