米国の製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬品会社ビオンテック(BioNTech)は18日、両社が開発を進める新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」の第3相臨床試験で95%の有効性が確認されたと発表した。また、安全面での基準も満たされたため、数日中に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請するとしている。
両社が先に公表した第3相臨床試験の初期分析では、有効性は90%以上とされていたが、今回の最終分析により、これをさらに上回る好結果が確認された格好となる。
第3相臨床試験は7月下旬に開始され、世界各地の4万3,661人が参加。うち半数には「BNT162b2」、残りの半数には偽薬の接種が2回ずつ行われた。最終分析によると、参加者のうち170人がこれまでに新型コロナウイルス感染症(COVID19)を発症。このうち162人は偽薬の接種を受けた人で、ワクチン接種者は8人のみだった。また、年齢や性別、人種による有効性の差はなく、65歳以上での有効性は94%超だった。
両社は年内に5,000万回分、来年末までには最大13億回分のワクチンを生産する計画。両社は英政府とは同ワクチン4,000万回分、欧州委員会とは最大3億回分の供給契約を結んでいる。同ワクチンは、マイナス70度での保管が必要だが、輸送用の保冷箱で最大15日、通常の冷蔵庫でも最大5日間は保存できる。
新型コロナワクチンを巡っては、米国のバイオ医薬品会社モデルナ(Moderna)も16日、第3相試験の初期分析により94.5%の有効性が示されたと明らかにしていた。こちらはマイナス20度で最長半年間の保存が可能。
ファイザーおよびビオンテックとモデルナのワクチンは、いずれもメッセンジャーRNA(リボ核酸、mRNA)を使用する。新型コロナウイルスの表面を模倣して免疫システムにこれを認識するよう教え、ウイルスを中和させる抗体を作り出す。このタイプのワクチンは、他のタイプに比べ開発・生産にかかる時間が短いとされる。ほかに、ドイツのバイオ医薬品会社キュアバック(CureVac)も同タイプのワクチン開発に取り組んでいる。
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