欧州で感染者数の拡大続く　早期封鎖のアイルランドは減少

欧州で新型コロナウイルスの新規感染者数の拡大が止まらない。主要国ではドイツとイタリアが過去最多を更新し、人口規模が小さいながらも１万人超えが続くチェコでも最多記録が塗り替えられた。一方、全国的なロックダウン（都市封鎖）をいち早く導入したアイルランドでは、厳格な規制が奏功し、感染者数が減少傾向にある。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、ドイツでは29日、過去24時間の新規感染者数が過去最多となる２万3,553人を記録した。感染死者数は160人で、５月上旬以降で最も多い。累計では、感染者数が48万6,972人、死者数が１万281人となった。

イタリアは、28日時点での１日当たりの感染者数が２万4,991人となり、こちらも過去最多を更新した。伸びは前日の２万1,994人から約3,000人増加。ミラノを擁する北部ロンバルディア州での感染者の急増が目立った。同地域では先に夜間外出禁止令が導入されている。累計感染者数は61万6,595人に上る。感染死者数は28日に205人となり、27日の221人からやや減少。累計では３万7,905人となった。

チェコでも27日、新規感染者数が過去最多の１万5,663人となった。23日に１万5,254人で最多記録を塗り替えたばかり。だが、28日時点では１万2,977人と、伸びが縮小している。累計感染者数は28日に29万7,013人となり、死者数は2,675人。

■アイルランドは３週間で最少

一方、アイルランドは28日、１日当たりの新規感染者数が675人となり、過去３週間近くで最も少なかった。１週間平均も７日間連続で減少している。感染死者数は、28日には新たに６人増えた。累計感染者数は５万9,434人で、死者数は1,896人だった。

アイルランドでは先に、全国的なロックダウンが再導入された。全国封鎖の再実施は欧州では初めてだった。可能な限り在宅勤務に切り替えるなどして、自宅にとどまるよう国民に求めているほか、屋内などでの世帯間交流を原則禁止としている。飲食店は持ち帰りでの販売のみを可能とし、小売店は食料品など生活に不可欠な商品を扱う店舗以外は営業を停止。スポーツジムやプールも閉鎖している。