イタリア各地で26日、新型コロナウイルスの再流行を受けて、飲食店の営業時間制限などの新たな規制が導入されたことに対する抗議デモが発生した。北部ミラノや北西部トリノでは一部が暴徒化し警官隊に火炎瓶を投げつけ、警察が催涙ガスで応戦する事態となった。BBC電子版などが伝えた。
デモは、この日午後6時からの規制導入が発表された直後に、ローマや北西部ジェノバ、南部シチリア島のパレルモ、北東部トリエステなどでも発生。北部クレモナ(Cremona)では飲食店経営者らが鍋やフライパンを叩いて講義し、南部ナポリでは数千人が市中心部の広場に集まり、市長の辞職を要求した。トリノではデモ参加者の一部が「グッチ」など高級ブランドの店舗に押し入った。
イタリアでは、春にパンデミック(世界的流行)が発生した際に導入した全国的なロックダウン(都市封鎖)はおおむね平和的に順守されたが、今回の新たな規制導入には反発が大きい。飲食店などの個人事業主は、前回のロックダウンの痛手から回復している途中に規制を強化されたのでは、ビジネスが立ち行かなくなると訴えている。
新たな規制では、飲食店の店内営業は午後6時までに制限され、持ち帰り用のみ午前0時まで販売可能。ジムやプール、劇場、映画館は営業停止となる。こうした措置は11月24日まで続く。
コンテ首相は「今歯を食いしばって規制を守れば、12月には一息つける」として、国民に規制順守を呼び掛けている。
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