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欧州各国、相次ぎ規制厳格化 地域限定の封じ込め策で対応

欧州各国で新型コロナウイルスの再流行が広がる中、各国で封じ込め策を厳格化する動きが相次いでいる。ベルギーでは19日から飲食店が閉鎖となったほか、イタリアでも飲食店の夜間営業が禁止。アイルランドでは世帯間交流などが制限された。各国政府は経済への影響が大きい全国的な規制導入には消極的で、地域を絞った規制策で対応している。

ベルギー政府はこの日から、新型コロナの感染レベルを最高の警戒水準である「レベル4」に設定した。全ての飲食店はテークアウトを除き営業を停止。まずは4週間実施され、2週間後に見直しを行うという。

アルコールの販売は午後8時まで。午前0時から5時までの外出も原則禁止とする。

集会については、異なる世帯との緊密な接触は1人までで、社会的距離を確保すれば、最大4人まで自宅に招くことができる。ただし、2週間は同じ人物に限る。公共スペースで集まることができる人数は最大4人。これらの措置は約2週間継続する。

アイルランドでは19日から、北部のキャバン、ドニゴール、モナハンの3県の行動制限レベルが5段階中の「レベル4」に引き上げられた。生活必需品以外の小売店やサービス業の営業、人数制限を設けた結婚式や葬儀などを除く集会は禁止。県をまたぐ不要不急の移動も引き続き認められない。一連の措置は11月10日までで、政府は今後の感染状況に応じて見直す方針。

これら3県以外では「レベル3」が維持されるものの、友人や知人宅への訪問が原則禁止となった。こちらは10月27日まで実施される。政府は、現状の行動制限策は不十分だとしつつも、全国的なロックダウン(都市封鎖)は避けたいとの考えを示している。

イタリアのコンテ首相は18日、新たな封じ込め策を発表した。飲食店は夜間営業が禁止されるとともに、テーブル1卓当たりの人数は最大6人。テーブルサービスを提供しないバーは午後6時の閉店が義務付けられる。

コンテ首相はまた、屋外での集会を禁止するため各自治体に公共広場の午後9時以降の閉鎖を認める権限を付与した。同首相は「状況は深刻である」とし、新規制は「全国的な封鎖措置を回避するため」と説明している。

英政府は17日から、イングランド北西部ランカシャー州の新型コロナウイルスの警戒レベルを、現行の「高い(ティア2)」から「非常に高い(ティア3)」に引き上げた。これにより、屋内外に関わらず世帯間の交流が一切禁止されるほか、食事を提供しないパブやバーは閉鎖となった。なお、ロンドンはティア2に指定されており、世帯間の屋内での交流が禁止されている。

また、ウェールズ自治政府は23日から11月9日まで、バーやレストラン、生活必需品以外を扱う小売店などの営業を禁止するほか、文化・娯楽施設も閉鎖するなど厳格なロックダウンを実施する。市民には不要不急の外出を自粛するよう求める考え。

一方、欧州諸国で感染率が最も高いチェコでは、全国的な封鎖措置の導入に当たり、少なくとも2週間の検討期間が設けられるという。政府は既にバーやレストランの閉鎖といった厳しい措置を敷いており、ロックダウンに踏み切ることに慎重な姿勢を見せている。


関連国・地域: 英国EUベルギーアイルランドイタリアチェコ
関連業種: マクロ・統計・その他経済社会・事件

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