欧州の航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は12日、傘下である英国の航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のアレックス・クルーズ会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任すると発表した。クルーズ氏はBAを4年半にわたって率いてきたが、新型コロナウイルス流行で航空業界の経営状況が揺らぎ、リーダーシップが一段と求められる中での突然の辞任となった。
クルーズ氏は2016年に会長兼CEOに就任。コスト削減を推し進め、台頭する格安航空各社に対抗する手腕が問われた。今後は、引き継ぎのため非常勤会長を務める。
今回の決定は、新型コロナウイルス危機に対応するためのIAGによる経営陣刷新の一環で、後任には同社傘下のアイルランドのエアリンガスで会長兼CEOを務めるショーン・ドイル氏が即日付で就く。
エアリンガスの新CEOには総務部門のトップを務めるドナル・モリアーティ氏が暫定的に就く。正式な指名は追って発表される見通し。
新型コロナのパンデミック(世界的流行)により、航空業界は大打撃を受けている。こうした中、BAは全従業員の3分の1に当たる1万3,000人の整理を進めている。また、IAGは9月、今年の輸送能力が前年比63%減少するとして、従来予想の59%減から下方修正。来年は、19年比で27%落ち込むとみる。[労務]
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