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欧州各国、感染急増で警戒感 封鎖措置の再導入回避に気をもむ

欧州各地で新型コロナウイルスの新規感染者数が急増している。スペインを筆頭に、フランス、ドイツ、イタリアで4月もしくは5月以来の水準に達した。夏季休暇を国外で過ごした人が徐々に帰国する一方、9月に学校再開を控えるという難しい状況の中、各国政府は封鎖措置の再導入を回避するため警戒を強めている。

スペインでは21日、過去24時間の新規感染者数が3,650人となり、4日連続で3,000人台を突破。20日は3,349人、19日は3,715人だった。累計では38万6,054人となっている。感染死者数は過去1週間で125人に増え、累計で2万8,838人となった。

フランスでも23日、5月半ばの封鎖措置緩和後で最も多い4,897人に増加。20日に4,711人と前日から約1,000人多くなった後、21日は4,586人、22日は3,602人と推移していた。過去7日間平均は引き続き3,000人台に迫る勢いだ。同国では21日にクラスター(感染者集団)の発生件数が1,140件と、前日から44件増加。過去1週間の検査実施件数は70万51件で、12~18日にかけての陽性率は3.4%と8月1週目の2.1%から上昇している。

ベラン仏保健相は仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュのインタビューで、今回の流行は2月の当初とは異なり、40歳以下の感染率が65歳以上の4倍に達していると指摘。封鎖措置を再導入する可能性は否定したものの、世代を超えた感染の広がりも見られるとして「危険な状況にある」と警鐘を鳴らした。

ドイツでは22日、4月以降で最多となる2,034人に達した。24日には711人に減ったものの、週末の結果が遅れて登録される可能性もある。累計では23万3,575人。国立ロベルト・コッホ研究所は、過去7日間の累計でも8,738人と上昇傾向にあり、「警戒すべき」とした。

イタリアでは23日時点の新規感染者数が1,210人と、5月12日に1,402人を記録して以来の水準となっている。21日は947人、22日は1,071人だった。累計感染者数は25万9,345人。

英国では23日、新規感染者数が1,160人となった。欧州大陸の主要国に比べて抑えられている印象があるものの、8月に1,000人を超えた日は計12日となった。累計では32万5,761人に達している。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済社会・事件

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