オランダの金融大手ABNアムロ・グループは12日、法人金融・投資銀行(CIB)部門の欧州以外での事業を停止すると発表した。大規模な事業再建策の一環で、800人が影響を受けることになる。
同行は向こう3~4年をかけて、非中核事業を縮小する計画。今後は、国内のエネルギー市場など大口取引が期待できる分野に注力する。こうした市場は「欧州グリーンディール」が追い風となり、融資ニーズが飛躍的に伸びると見込む。
■第2四半期は赤字転落
ABNアムロ・グループはこの日、第2四半期(4~6月)の純損失が500万ユーロとなり、前年同期の6億9,300万ユーロの黒字から赤字に転落したと発表した。CIB部門の不振が響いた。
業務粗利益は15%減の19億8,500万ユーロ。うち収入の柱となる資金運用収支は15億1,400万ユーロと10%減った。役務等取引収支は3億7,500万ユーロと9%減少している。業務純利益は7億8,600万ユーロと22%縮小した。
貸倒引当金は7億300万ユーロ。「バーゼル3」全面適用時の普通株等ティア1レシオ(自己資本比率)は6月末時点で17.3%と、3月末から横ばいだった。同行はこれを今年は17.5~18.5%とする目標を示している。株主資本利益率(ROE)はマイナス0.7%と、3カ月前から8ポイント上がった。[労務]
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