欧州各国が新型コロナウイルス封じ込めのための規制を緩和する中、ドイツとフランス、スペインで1日当たりの感染者数が過去数カ月で最大の伸びを示している。中東欧でもポーランドとウクライナで新規感染者数がパンデミック(世界的流行)開始以降で最多を記録しており、流行第2波の到来が懸念されている。
ジョンズ・ホプキンス大学によると、ドイツでは5日、新規感染者数が1,285人となり、前日の717人から大幅に増加。伸びは4月30日以降で最大を記録し、累計感染者数は21万4,113人となった。同国の医師労働組合は先に、国内で既に感染第2波が起きていると指摘。国民の多くが社会的距離などのルールを順守しておらず、感染がさらに拡大する恐れがあると警鐘を鳴らした。シュパーン保健相も、秋以降は感染をコントロールすることがいっそう困難になるとの懸念を示している。
仏保健省によると、同国では5日の新規感染者数が過去2カ月で最多の1,695人を記録。累計感染者数は19万4,029人に達した。死者数は3万305人と、欧州では英伊に次いで多い。こうした事態を受けて、パリ市は近日中に、屋外の人が密集しているエリアでのマスク着用を義務化するとみられている。南西部トゥールーズでは既に、屋外の特定区域でのマスク着用が義務付けられた。
スペイン保健省は5日、新規感染者数が1,772人になったと発表。伸びは4日の1,178人、3日の968人から加速を続け、6月にロックダウン(都市封鎖)の緩和が始まって以来、最大を記録した。北東部アラゴン州と首都マドリードで感染者の伸びが突出している。同国からの入国者については、英国やベルギー、スイスが自主隔離措置の対象としている。
ポーランド政府によると同国では5日、新規感染者数が過去最高の726人を記録。過去最高を更新したのは7月30日以降で5回目。累計感染者数は4万9,515人に上っている。同国では、南西部シレジア地方の炭鉱で集団感染が発生している。
ウクライナ国家安全保障・国防会議(NSDC)の発表によると、同国では5日の新規感染者数が1,318人となり、過去最多を記録した前日の1,271人からさらに増加した。累計感染者数は7万6,808人、死者は1,819人に上っている。
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