自動車製造取引業者協会(SMMT)は5日、7月の英国の新車登録台数が17万4,887台となり、前年同月比11.3%増加したと発表した。国内全土でディーラーが営業を再開したことで、6月の34.9%減からプラスに回復。今年に入って初の増加となった。
個人向けは大きく20.4%拡大。フリート向けが5.2%増えた一方で、法人向けは11.8%落ち込んでいる。燃料別ではガソリン車が0.3%のプラスを確保したものの、ディーゼル車は25.9%減った。代替燃料車(AFV)のうち、ハイブリッド車(HV)は64.9%増加。プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)は4倍超、バッテリー式EV(BEV)は3.5倍超にそれぞれ伸びた。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ガソリン車が3.5倍弱に拡大し、ディーゼル車も2.5倍弱に増えている。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが9.2%増え、姉妹ブランドのランドローバーも38%拡大。仏グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)傘下のボクソールは6%縮小している。
ドイツ勢はフォルクスワーゲン(VW)が2.9%増加。高級車ではBMWが24.4%伸び、VW傘下のアウディは16.4%上向いた。メルセデス・ベンツは15%落ち込んでいる。フランス車はルノーが3倍に拡大。シトロエンは24.9%減った半面、姉妹ブランドのプジョーは12.8%伸びた。米フォードは10.4%のプラスだった。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が21.7%増加。ホンダは11.9%伸び、日産自動車は6.2%のプラスだった。マツダは1.2%拡大している。半面、スズキは46.2%落ち込み、スバルは前年を41.8%下回った。三菱自動車は7.6%縮小している。韓国勢は現代自動車が4%減った一方で、傘下の起亜自動車は28%増えている。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、「年初からの反動による需要の高まりと魅力的なオファーにより、非常に良い取引状況だった」とコメント。しかし、国内全土のショールームが完全に営業を再開したばかりであり、依然として先行き不透明感が残ることから慎重にならなければならないと警告している。今回の結果は希望を与えているものの、将来的に起こり得る地域的な封鎖措置や経済全体における雇用喪失を考慮すると、市場は依然として脆弱(ぜいじゃく)だと指摘。9月末までには、今回のポジティブな結果が長期的な傾向なのかがより明確になるとし、今後数週間の動向が非常に重要との見方を示した。
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