ドイツの国立ロベルト・コッホ研究所のローター・ウィーラー所長は28日、国内での新型コロナウイルス感染者の増加に強い懸念を表明した。感染第2波につながる可能性もあると指摘し、国民に1.5メートルの社会的距離が確保できない場合には屋外でもマスクを着用するよう要請した。同所長の記者会見を元に、BBC電子版が伝えた。
ドイツではこれまで、屋内の公共スペースでのみマスク着用が促されていた。同所長はこの日、国民がウイルスの危険性に無頓着になっていると指摘。ウイルスが再び「急速かつ無秩序に」広がるのを阻止するため、マスクの着用や社会的距離の確保、衛生ルールの順守を徹底するよう呼び掛けた。
同所長は「これが第2波の始まりかどうかはまだ分からないが、その可能性もある」とした上で、「衛生ルールが守られれば、第2波は阻止できると期待している」と話した。
ドイツのこの日までの感染者数は累計20万6,242人、死者は9,122人と、他の欧州諸国に比べて少なく、迅速な感染対策や検査体制の確立が国際的に評価されている。ただ、ここへきて感染者が急増しており、20日以降の1週間の新規感染者数は1日平均557人と、6月上旬の約350人から大幅に増加。また、感染者は全国的に増えており、新規感染者ゼロの自治体は数週間前の150カ所から95カ所に減っている。
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