欧州中央銀行(ECB)は10日、ブルガリアとクロアチアが欧州単一通貨ユーロ導入の準備段階である「為替相場メカニズム(ERM2)」への参加を承認されたと発表した。これにより、リトアニアが加わった2015年以降で初めてユーロ圏が拡大する見通しとなった。
両国の参加は、9日と10日に行われたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)および欧州連合(EU)の経済・財務相理事会で承認された。両国は併せて、EUの銀行同盟にも参加する。
ERM2はユーロと自国通貨を連動させるシステムで、向こう2年にわたり為替変動幅を既定の中心レートの上下15%以内に抑えることが求められる。中心レートは、ブルガリアが1ユーロ=1.95583レフ、クロアチアが1ユーロ=7.53450クーナに設定された。
両国はERM2参加後、最低2年を経てから、ユーロ導入に向けた実務面の準備に着手する。この準備には通常、1年を要するため、ユーロ圏入りは早くて23年になる見通し。
ブルガリアは07年にEUに加盟。財政・債務面ではユーロ採用基準を満たしているが、EUの最貧国の1つであることや組織犯罪を巡る懸念から、ユーロ圏入りを果たせずにいた。一方、クロアチアは13年にEUに加盟。ユーロ圏入りにより、1990年代の旧ユーゴスラビア解体後に達成した経済的安定と成長を強固なものにする狙い。[EU規制]
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