英ビジネス・エネルギー・産業戦略省のザハウィ政務次官は23日、自動車業界のグリーン技術の支援に、7,350万ポンドを振り向けると発表した。低炭素化に向けた先進技術開発を後押しするとともに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による同業界への打撃を軽減し、雇用維持を促す。
同支援を巡っては、政府と自動車業界の共同出資により低排出エンジンの開発を目指す「先進推進センター(APC)」が、次世代の電気自動車(EV)やEVタクシー、電動商用車向けの先進技術を手掛ける10件のプロジェクトを選出。これには、再生利用可能なバッテリーや先進電気システム、超軽量部品などが含まれる。
ザハウィ氏は「今回の資金により、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ化を目指す自動車企業の取り組みだけでなく、数千人の雇用を支援することができ、自動車業界の経済回復を前進させる」とコメント。また、APCの技術・プロジェクト責任者は「英国の自動車業界は地滑り的な革新の局面にある。投資対象となる技術は次世代の自動車に影響を与える」と話した。
英国の自動車業界は1万4,000人以上を雇用する。自動車製造取引業者協会(SMMT)はこの日、10月末で「コロナウイルス雇用維持制度」が終了すれば、業界内で6人に1人が失職すると予想。また、年間生産台数が新型コロナ危機前の水準に戻るのは、英国が欧州連合(EU)と自由貿易を継続できた場合でも、25年になるとの見通しを示している。[環境ニュース][労務]
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