独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は5月29日、中国での電気自動車(EV)事業の強化に向け、総額約21億ユーロを投資すると発表した。EV合弁への出資比率を引き上げて経営権を取得するほか、合弁を組む相手にも50%を出資。加えて、地場のリチウムイオン電池大手に出資する。
VWは、安徽江淮汽車(江淮汽車、JACモーターズ)との合弁EVメーカー、江淮大衆汽車(JACフォルクスワーゲン)への出資比率を50%から75%に引き上げ、経営権を獲得するとともに、江淮汽車の株式50%を取得することで合意した。取引額は合わせて約10億ユーロ。
加えて、中国のリチウムイオン電池大手、合肥国軒高科動力能源(国軒高科)の株式26%を約11億ユーロで取得し、筆頭株主となる。中国のリチウムイオン電池メーカーに外国の自動車大手が直接出資するのはこれが初めてとしている。
いずれの取引も、規制当局の承認を得た上で年内の完了を見込む。
VWの中国事業を率いるステファン・ウォレンシュタイン氏によると、江淮大衆汽車は、VWのEV用モジュラープラットフォーム「MEB」をベースとした初のEVを2023年に発売する予定。25年までにはバッテリー式EVやプラグイン・ハイブリッド車(PHV)、水素燃料車などを合わせて、年150万台の新燃料車(NEV)を中国で販売することを目指す。国軒高科は、VWの中国向けEVにバッテリーを供給する予定。
江淮汽車と国軒高科は共に、安徽省合肥市に本拠を置く。VWは安徽省を中国でのEV生産の拠点とする方針。[環境ニュース][M&A]
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