ロイズ保険組合は14日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が今年に世界の損害保険会社にもたらすコストが総額2,030億ドルとなり、空前の水準に達するとの試算を明らかにした。イベント中止や事業中断、取引信用カバーなどの保険金支払いに加え、経済全体への打撃により投資資産の価値が大幅に目減りするため。
ロイズ保険は、一定の社会的距離のルールや封鎖措置が2020年末まで続くとの仮定に基づき各社のコストを試算。その結果、2020年の保険金支払いは計1,070億ドルとなり、大規模自然災害が相次いだ2005年(1,160億ドル)や2017年(920億ドル)と肩を並べると予想している。また今回はこれに加え、投資資産の価値が960億ドル低下するため、全体のコストは前例のない規模に達するとみている。
ロイズ保険の今年の保険金支払いは30億~43億ドルとなり、9.11米同時多発テロ事件の起きた2001年に匹敵する見通し。ただ、現行の封鎖措置が年後半も続けば、さらに増える可能性もあるとしている。
ジョン・ニール最高経営責任者(CEO)は、「新型コロナウイルス危機の特徴は、人々の健康や社会への破壊的かつ持続的な影響だけでなく、経済的ショックをもたらすことだ」と指摘している。
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