ワクチン・バイオ医薬品当局のポールエーリッヒ研究所(PEI)は22日、新型コロナウイルス感染症(COVID19)向けに、独ビオンテック(BioNTech)が開発を進めているワクチンの臨床試験の実施を承認したと発表した。新型コロナのワクチンの治験が承認されたのは国内初で、世界では5件目となる。
対象となるのは、メッセンジャーRNA(リボ核酸、mRNA)を用いた薬品の開発プラットフォームを利用して開発されたRNAワクチン。18~55歳の健康な人から200人の治験ボランティアを募り、ワクチンを投与する。ワクチンは微調整を加えた複数のバリエーションがあり、各人に1種類または複数を割り当てる。
PEIは科学的な要件を満たしつつ、ワクチンの開発加速を後押しするため、早期に広範囲にわたる科学的なアドバイスを開発各社に与えたとしている。ビオンテックのワクチンの臨床試験は、申請からわずか4日間で承認されている。
なお、臨床試験の実施時期は明らかにされていないが、近く開始されるとみられている。ビオンテックは、一定の観察期間後、第2フェーズの臨床試験を実施する予定。現時点では、対象は同じ年齢層とするものの、感染した場合に重症化のリスクのある人を含める計画で、PEIはこの実施に向けて追加研究データの提出を求めている。
ビオンテックは3月、新型コロナウイルスのワクチン開発と中国以外の地域での流通について、米製薬大手ファイザーと提携すると発表。4月末にも欧州、米国、中国で治験開始を目指すとしていた。
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