イタリアのコンテ首相は21日、新型コロナウイルス対策として実施している封鎖措置の解除に向けた詳細な計画を週内に公表する方針を示した。5月4日から段階的に解除できるとみている。
イタリア政府は3月10日、それまで北部で実施していた封鎖措置を全土に拡大。国内移動を禁止し、食料品店や薬局などを除く全店舗の営業と、必要不可欠と見なされない企業の生産活動も禁じた。同措置はその後、2度にわたり延長され、現在の期限は5月3日となっている。
同首相は「明日にでも全てを再開すると言いたいところだが、それは無責任な判断。そんなことをすれば感染者拡大ペースが制御不能となり、これまでの努力が水の泡になる」と説明。「詳細な情報やデータを全て勘案した計画に基づいて再開する必要がある」とし、封鎖解除に当たっては地域的な違いも考慮するとしている。
コンテ首相は先に、封鎖解除後の安全な経済活動再開について検討するため、専門家で構成されるタスクフォースを設置していた。同国では経営者団体などが政府に事業再開の許可を求めている。また、全国的な封鎖措置を巡っては、感染拡大の「震源地」となった北部と同様の厳しい措置を、人口密度が低く感染者も少ない南部にまで適用することに不満を感じる向きもある。
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