マクロン仏大統領は13日夜にテレビ演説を行い、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出規制を5月11日まで延長すると発表した。改善の兆しはあるものの、感染拡大はまだ抑えきれていないと説明。ただ、今後も感染者の減少傾向が続けば、5月11日から学校や店舗を段階的に再開するとともに、それまでに症状のある患者全員を検査できる体制を整えるとしている。
マクロン大統領は、手狭な家での生活や家庭内暴力の脅威に耐える一部国民の境遇に理解を示した上で、パリを含むイルドフランス地域圏やグランテスト地域圏では、なお患者の増加により病床不足が続いていると説明。「国民が規制を順守すればするほど、多くの命が救われる」と理解を求めた。
5月11日以降は、保育園および小中高等学校、一部の店舗や職場を段階的に再開する方針。ただ、公共スペースや飲食店、ホテル、映画館、博物館などは閉鎖を続け、高齢者や慢性疾患のある人の外出も引き続き禁止する。大規模イベントも少なくとも7月自中旬まで禁止する。これらの規制については、5月中旬以降に毎週、緩和に向けた見直しを行うとしている。
マクロン大統領は、5月11日以降は新型コロナウイルス感染症(COVID19)の症状のある人全員に診断検査を施し、感染者を隔離するとしている。また、規制緩和後は国民にマスクの着用を促す方針。同大統領は、今回の危機に対する政府の当初の準備不足や対応の不備も認めた上で、その後の改善により3週間以内にマスクの生産を5倍に拡大し、人工呼吸器1万台を生産する手配ができたと説明している。
外出規制は3月17日に最低15日間の予定で導入され、その後に4月15日まで延長されていた。必需品の買い物や通勤、通院、運動など以外の外出は禁止されており、外出時には理由書の携帯が必要。違反者には罰金が科せられる。
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