欧州での新型コロナウイルス感染症による死者が引き続き増加している。世界でも最多のイタリアは25日単日での死者数が683人と、前日の743人から減速したものの、累計では7,503人に達した。スペインは24日に1日では過去最多となる738人の死亡を確認し、累計で3,434人と中国を上回った。フランスも1日で240人急増し、合計1,100人に達した。全世界で死者数が1,000人を超えるのは、中国とイランを含めて5カ国目となる。
イタリアの死者の増加ペースはここ数日、減速傾向にあったが、24日には再び加速していた。イタリア市民保護局によると、累計感染者数は25日に7万4,386人と、前日から5,210人増加。単日での増加幅は、24日までの3日間は3,000人台で推移していたが、再び大きく加速した格好だ。なお、回復者数は9,362人に達している。
米ジョンズ・ホプキンズ大学の25日午後4時(協定世界時)時点での集計によると、スペインでは感染者が累計4万7,610人と、前日比7,937人増加。その前日は1日で6,584人増えており、拡大ペースが加速している。感染者数はフランスが2万2,654人、ドイツが3万5,714人、英国が8,328人に上った。
一方、これらの数字が必ずしも現状を表していないとの指摘もある。イタリア市民保護局は、現時点で検査を受けているのは症状の重い人のみだと説明。実際の感染者数はこの10倍との見方もあり、潜在的な感染者は70万人程度との推計もある。また、英オックスフォード大学の研究者によると、英国では人口の半数近くが既に感染している可能性もある。だが、大半は軽い症状にとどまるか無症状のままだという。
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