• 印刷する

欧州で新型肺炎の警戒強まる 各国が対策の度合い引き上げ

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、欧州の各国政府が警戒を強めている。英国は新型コロナウイルス対策の4段階の行動計画のうち、「封じ込め」段階から「エピデミック(感染流行)を遅延させる」段階へと移行するもよう。フランスのマクロン大統領は、国内の死者が7人に達したことを受けて、「エピデミックは避けられない段階だ」と注意を喚起した。BBC電子版などが伝えた。

英国のクリス・ウィッティ主席医務官(CMO)は5日、下院での質疑応答で、現在も第1段階に沿ってはいるが、ウイルス対策としては主に第2段階に入っていると説明。一方、政府は正式には段階移行を発表していない。ウィッティ氏はそれでも、現状では国民が食料品や医療品を備蓄する必要はないとし、長期的視野が必要と呼び掛けた。

英国が定める「エピデミックを遅延させる」段階は、流行が始まった場合に感染者の急激な増加を防止し、ピークを遅らせるための措置を取る。政府は具体的な内容を検討中だが、国民に在宅勤務を促し、公共交通機関を避けるよう要請するほか、休校や大規模イベントの禁止に踏み切る可能性もある。

英政府は6日、ウイルスのワクチンや迅速な検査キット開発に4,600万ポンドを追加投資すると発表。これにより累計で6,500万ポンドがワクチンなどの研究開発(R&D)に投じられる。

マクロン大統領は5日、官民の専門家らとウイルス対策を協議した。政府報道官は、近日中もしくは1~2週間以内に感染対策を最終段階の「レベル3」に引き上げる可能性を指摘しており、その場合は渡航制限や公共活動の禁止措置が取られるもよう。

感染拡大が顕著なイタリアでは、政府が国内経済の救済策に総額75億ユーロを投じる計画。これにより財政赤字が63億ユーロ拡大するため、欧州連合(EU)に承認を求める方針だ。スペインでも観光業への悪影響が甚大で、政府は追加のダメージ軽減策を講じることを明らかにしている。

欧州連合(EU)保健相は6日にブリュッセルで会合を開き、ウイルスの感染拡大を食い止める方策を協議した。協議の場では、ドイツやチェコがマスクの輸出禁止措置を実施したことを挙げ、「マスク禁輸は解決策になり得ない」とし、医療用のマスクや眼鏡などの備蓄を囲い込まないよう求める声などが上がった。

欧州議会は感染拡大を受け、9日以降のセッションを仏東部ストラスブールではなく、ベルギーのブリュッセルで行う方針だ。

■英蘭などで初の死者

6日時点の各国当局の発表などによると、欧州で最大の感染国となっているイタリアの感染者数は4,636人に増加し、死者は197人に達した。

ドイツでは感染者数が578人に増加。州別で最大の人口を擁し、工業地帯を抱える西部ノルトライン・ウェストファーレン州が302人と最も感染者数が多い。フランスは423人に増加。AFP通信などによると、フランスの国民議会(下院)の議員1人が、ウイルスに感染し入院したという。スペインは258人、英国は163人、オランダは128人にそれぞれ増えた。

英国とオランダ、スイスでは5日、新型コロナウイルスによる感染症で初の死者が出た。

各国当局は、欧州全体の感染状況を取りまとめている欧州疾病予防管理センター(ECDC)に先立ち個別の最新状況を発表している。


関連国・地域: 英国フランスEUイタリアスペイン
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

仏、英領海の漁業権で譲歩も 関係者に割り当て縮小を警告(10/26)

ポーランド、胎児異常での中絶に違憲判断(10/26)

【今週の主な予定】10月26日~30日(10/26)

ユーロ圏PMI、10月は49.4 コロナ再流行が影響=速報値(10/26)

EU、入国許可国リストからカナダなど除外(10/26)

欧州商用車登録台数、9月は14.5%増加(10/26)

EU、独議会へのサイバー攻撃でロシアに制裁(10/26)

ルノーとフィアット、バンの生産提携を解消(10/26)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン