スーパー英2位のセインズベリーは22日、マイク・クープ最高経営責任者(CEO)が5月末で退任すると発表した。昨年4月に3位のアズダとの大型合併案件が破談となった際は、CEO留任への強い意思を示していたが、英国のスーパー業界の競争が激化する中で、退任は時間の問題とみられていた。
クープ氏はユニリーバやテスコ、アズダといった英国を代表する食品小売業界でさまざまな役職を歴任。セインズベリーには2004年に入社し、2014年1月からCEO職を務める。同職を退いた後は、7月2日に予定されている年次株主総会まで取締役にとどまる。
セインズベリーはクープCEOの指揮の下、米ウォルマート傘下のアズダの買収計画を進めてきた。だが、昨年4月に英競争・市場局(CMA)が却下したことを受けてこれを断念。以来、辞任の可能性が浮上していたが、同氏はこれを否定し、CEO職にとどまる意向を示していた。
後任には小売り・オペレーション部門を統括するサイモン・ロバーツ氏が選ばれ、6月1日付で就任する。同氏は2017年、現在の肩書きでセインズベリーに迎え入れられた。それ以前はマークス・アンド・スペンサー(M&S)やブーツなど、英国の主要小売りブランドで30年以上のキャリアを有する。
英国の大手スーパー各社はかねて、独格安スーパー大手のアルディとリドルにシェアを奪われつつある上、消費意欲の減退に直面している。ロバーツ氏は、セインズベリーの店舗運営モデルを再構築し、効率性と在庫管理を大きく改善させた人物と知られており、こうした厳しい事業環境に置かれている同社の業績向上に向けた手腕に注目が集まっている。[労務]
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